Twitterではデマが広がっても自浄作用でなんとかなる、みたいな意見がありますが、実際に検証をしている立場からすると、Twitterの自浄作用は非常に危ういと感じます。
Twitterは構造的にデマに弱い
デマというのはセンセーショナルな情報を列挙すれば作れます。
140字以内でつくることは難しくありません。
検証情報は、ソースや根拠を添える必要があります。
情報量的に140字以内におさめることは困難です。
両者が必要な情報量の差にはさがあります。
文字数が限られているTwitterは、デマを作ることは容易だが、検証することは困難なメディアと化しています。
そのため検証側は多くの場合、Togetter等のまとめサイトに発言をまとめるか、外部サイトに記事を書いて、URLを投稿する方法を取ります。
(その辺の事情を知らない人がRTした人全員に修正情報を送ってまわるというのはわりとよくある話なのですが、ほとんどの場合対処しきれなくなってギブアップします)
検証情報の言及数は少ない
Twitterにおいてデマが優勢か、対抗言論を行う側が優勢かというのは、両者の言及回数を比較することで大まかにチェックすることができます。
あたりが有名です。
実際に調べてみると、twitterにおける言及回数は基本的にはデマ情報側の圧勝です。
検証情報の言及数は大抵の場合元発言の半数あれば良いところで、1/10とか1/100程度しか言及されないケースもすくなくありません。
Twitterの自浄作用というのは一部のリテラシーが高いクラスタのみで効果を発揮しており、コミュニティ全体としてはデマが優勢、というのが実情ではないかと僕は思っています。
「自浄作用」はどうやって支えられているのか
「Twitterの自浄作用」が充分に強ければ、カウンター情報は自然に広がっていくはずです。
しかし実際のところ、色々と工夫しなければ、ほとんど言及されることなく、忘れ去られることが多いのです。
検証者は様々な要素を考慮して記事を投稿します。
例
- その情報を怪しいと思って積極的に調べる人が、どういうキーワードで検索するかをあらかじめ予測してSEOを行う
- その情報に興味が持つ人達の生活時間を加味し、一番読んでもらえる可能性が高いタイミングを計算して投稿する
- 各ソーシャルメディアの特性を考慮し、時間差を付けて流す(Tweetと、セルフブックマークは最適なタイミングが異なる)
クチコミの元になる初期言及者は適切なコメントを付けて広めます。
これまた巧拙があって、テクニック次第で、言及先を読む人やRTする人の数が変わってきます。
その後途切れることなく拡散された場合のみ、多くの人のTLに表示されるわけです。
しかし、その過程でバトンが途切れてしまった場合は「デマであること」が周知されません。
検証が周知されないデマは真実として扱われる
周知に失敗したデマはコミュニティ内で「真実」として扱われます。
「Twitterのデマはいままで自浄作用により駆逐されてきた」ではなく「Twitter上でデマと周知されたデマは自浄作用により駆逐されてきた」という正確かな? と思います。
デマであることが周知されていない情報はたくさんあります。
まとめ
デマに対するTwitterの自浄作用というのは、自然な状態では大抵、デマの繁殖力に敗北します。
対抗言論というものは、「既に広まっている情報」に「ゼロの状態から反論」するものなので、人為的な介入が無ければ機能しにくいものなのです。

